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  • 桂 昇平

【書評】虎山に入るを読んで

最終更新: 2019年3月15日



著者:中沢 新一

発行元:角川書店


中沢新一の独特の熱を持った文体に引き込まれます。


本書は様々な媒体に発表した文章をまとめたアンソロジーのような一冊です。


なかでも、特に面白いのは以前から取り組まれている

アースダイバー的な話題です。


なぜ全国各地に同じような地名があるのか。

その地名にはどんなつながりがあるのか。


一つ一つは点に過ぎない物事を想像力と構想力で

ひとつながりの線にして物語を描いていくその筆致。



身体的感覚から生まれた地形に対する畏怖や憧憬。

地形を女性の体に見立てて生命の力を感じる場所と捉えること。


地球は身体の外部であり内部である。外であり内である。

地面には巨大な竜の力が流れていてその力を取り出すこと。

取り出すことのできるものが、エネルギーや権力と結びついてきた。



巨大な力を制御する力を持つ。それが権力として

太古から崇めたてまつられてきたのだ。



私自身、地面を扱うものとして土地の持つ力や

場所の持つ雰囲気には敏感にいたいと考えています。


その土地に立ったときに感じる雰囲気や感触。

空気の流れ方。感覚的な明るさや暗さ。


こういったことは実際にその場所に行かないと

感じることのできない部分です。


そして、これが実は一番大事な部分です。

身体が告げること。感覚が教えてくれること。

良い空気感。その場に自分がすっぽりと収まり過不足のない感じ。


これを感じる場所は人それぞれですが、自分にとってそんな場所を見つけたら

そこはあなたの場所です。


土地を案内するときも感覚は大事にしている部分です。

そんな感覚を刺激して活性化してくれる一冊です。



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